【短】アイツの秘密
「す…き……?」


私の頭の中で何回も何回も繰り返す言葉。

じょっ冗談だよね!?


『好き』

奏多のこの言葉が本当だとしてもね?

“芸能人がこんな、私みたいな一般人を好きになるわけがない”

“私と奏多はお似合いじゃない”

“世界が全然違う”

そんなことばかり思ってしまうんだ。


「そうだよ…好きなんだよ………」

「でも……奏多と私はお似合いじゃないもん…釣り合わないよ……」


自分で言っていて悲しくなる。

私…馬鹿かもしれない………。



いつの間にかまた、涙が溢れてて、地面には涙が溜まってた。


「そんなん関係…ないじゃんか………

“お互い好きならそれでいい”

そう思えばいいんだよ…お前が俺を嫌いなら別だけど………な」


嫌い?

そんなわけないじゃん。

その反対だよ。



好き。



大好きなんだよ…?


「嫌いじゃないよ…」

「大好きだよ」そう言えない私は、未熟者かもしれない。
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