ぎゅってしてもいいですか。
大好きなその人。
────届いた。私の声が。
誰にも聞こえないって……助けてくれないって、もうダメだって、思ってた。
永澤くんには届いてくれたんだ────……
胸がいっぱいになり、何も言えず立ち尽くす。
「な、なが、永澤く……っ」
口を開いたけれど、もうなにも話すなとでも言うように、頭に手を置き、自分の方へ引き寄せた。
「やっぱりここにいたんだ……。良かった……間に合って……ほんとに良かった……」
かすれ、途切れ途切れながらも耳元で小さく言葉を発する。
……永澤くん……。