ぎゅってしてもいいですか。




そんなことを思いながら、ずっと泣き続けて。



しばらくすると私もだいぶ落ち着いて、ずっと付き合ってもらってた永澤くんに

小さく『……ごめんね』とつぶやいた。



『お財布なくした上に私のとこに来るハメになって……

しかも不良から助けることになるなんて……。申し訳ないです……』



ぺこりと頭を下げる。



永澤くんは、大丈夫だよ、いいって言ってくれたけど。


『それでも楽しい文化祭を潰しちゃって……、罪悪感ぬぐいきれないよ。

このお詫びはなんでもする……なにかして欲しいこと……ある?こんな私に出来ることなら、何でも……』




真っ直ぐ目を見ていうと、ちょっと考えてから、『じゃあ』と微笑む。




『俺と……一緒に文化祭回ってください』





……ちょっとほっぺを染めながら、そんなことを言われた。



< 131 / 421 >

この作品をシェア

pagetop