ぎゅってしてもいいですか。
そんなことを思いながら、ずっと泣き続けて。
しばらくすると私もだいぶ落ち着いて、ずっと付き合ってもらってた永澤くんに
小さく『……ごめんね』とつぶやいた。
『お財布なくした上に私のとこに来るハメになって……
しかも不良から助けることになるなんて……。申し訳ないです……』
ぺこりと頭を下げる。
永澤くんは、大丈夫だよ、いいって言ってくれたけど。
『それでも楽しい文化祭を潰しちゃって……、罪悪感ぬぐいきれないよ。
このお詫びはなんでもする……なにかして欲しいこと……ある?こんな私に出来ることなら、何でも……』
真っ直ぐ目を見ていうと、ちょっと考えてから、『じゃあ』と微笑む。
『俺と……一緒に文化祭回ってください』
……ちょっとほっぺを染めながら、そんなことを言われた。