ぎゅってしてもいいですか。
「でもさ、やっぱりあんず先輩がいるのにって、彼女がいるのにっていう罪悪感がぬぐいきれなくて。
なのに、すごく舞い上がったりしちゃったの……嬉しくて嬉しくて」
うぬぼれちゃったんだ。
すると、南緒はうつむく私の肩をポンと叩いた。
「女の子はね、好きな人に優しくされたりするだけで、簡単に幸せになっちゃうもんなの。
……そーゆーもんだよ」
綺麗な顔でふっと儚げに笑ってから、くしゃっと頭をなでられる。
「……うん。今日も好きだなぁって思った……」
みんなクラスの中で働いているというのに、私は動く気になれなかった。
「───あれ?そーいや永澤は?」
ふと投げかけられた質問。
そーいえば、もうクラスのイベントの準備してるっていうのにいない。
どこ行ったんだろ?