ぎゅってしてもいいですか。
南緒がこんな顔してるんだもん、よっぽど嬉しいことがあったんだろーな。
「え、なになに」
「あのね、今日、さっき永澤を探してる時に……」
南緒が話はじめようとすると、「南緒ちゃん詩星ちゃん!」と
いきなりエンジェルちゃんが教室に駆け込んできた。
えっ、ちょっ、今いいとこだったのに……。
まぁ、そんな事も言ってらんない。
「なに?どーしたの?」
ふわふわの髪の毛と小さな肩を上下させて、
「イベント係の、仕事が、あるって、先生から……」と息を切らせながらとぎれとぎれに言った。
少しでも早く伝えようと走ってきてくれたみたい。
「分かった!ありがと、すぐに向かう」
「うん!すぐ、来て、ね……!!!」
お礼を言い、エンジェルちゃんが行ったのを確認し、教室を出ようとする。