ぎゅってしてもいいですか。








ふと立ち止まる。




ダンボールを持ったまま、あの時の月乃を思い出す。




────『あんず先輩に伝言頼まれて!』





苦し紛れに放った言葉。



……だったのだろうか。



そうだといいな。




あんず先輩=俺……みたいじゃん。



そんな感じで同じにされんのはいやだ。


俺だけを、俺は俺だけの存在としてその目に映したい。


特別として見て欲しい。




そう思うのは、わがまま?









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