ぎゅってしてもいいですか。











「────────月乃」





静かに、優しく。





大好きな君の名を呼ぶ。



嫌われたと思った君の。



ドキッと胸が跳ねた君の。



今ではこんなにも好きな君の。








「────永澤くんッ!」





静かな廊下に、突然大きな声が響く。





「……月乃?」




その声は、分からないわけがない君の声。



後ろを振り向くと、こっちへ猛ダッシュしてくる月乃の姿が見えた。




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