ぎゅってしてもいいですか。






「……私、ずっとずっと前から……、なんだけど」



目線を下にし、息を整えながら。



「遠くで見つめてて……思いは届かないって分かってても……つのる一方で……」



ゆっくり、しっかり話してく。



「何回も悩んで……それでも諦めきれなくて」



その声は震えていた。




そこで、俺と月乃の視線が交差した。








< 165 / 421 >

この作品をシェア

pagetop