ぎゅってしてもいいですか。
【第二章】☞ 約束
>>7 変な人たち
────まだがやがや騒がしい、放課後の帰りの会直後の教室。
「蛍人ーぉ!じゃーなぁ!」
「永澤ー明日遊ぼーな!」
「ばいばいー!」
「おー。また明日」
相変わらず結構人気者な永澤くん。
あんなふうに、みんなみたいにサヨナラって言えたらいーのに。
「詩星ぉー!かーえろっ!♪」
「あっ!南緒。うん!」
スクバを背中に背負って笑う南緒。
……あ、クラスの男子の一部が南緒を見てる。
こそこそ話したりなんかしちゃって。
てゆか、あの中にひときわすごいオーラを放ってる人が……。
あれは……同じクラスの西荻 太貴くんだったかな?
鼻がスッと通ってて、整った顔立ち。
背もすらっとしてて、それなりに高い。
目はぱっちりしてて、笑顔が素敵な爽やか系。
優しくて、かっこよくて、まあ、モテるらしい。
そんな人まで南緒に注目してるんだから、ほんとに凄いってことだよね。
……やっぱり可愛いからなぁ。うん。だって女の私から見ても可愛いもん。