ぎゅってしてもいいですか。
名前がコスプレキャバってあれだから、若い人とかしか来ないと思ってたけど……。
案外たくさんの人が来てくれてる。
「小悪魔チャン。よろしく」
私が担当になり、ちょっと馴れ馴れしく話しかけてきたのは、金髪のちょっとチャラいお兄さん。
20代くらいじゃないかな。
昨日のこともあってか、身体がどうも固くなってしまう。
怖い感じで、できれば関わりたくないなぁとかついそんなことを思ったけど、
「パンケーキとパフェください」とか言って注文して来て、
そのギャップに可愛いなぁとか思ってしまった。
「小悪魔チャンは彼氏サンいるの?」
スプーンを口にくわえながらお兄さんが聞く。
「いないんですよ……それが。でも……昨日好きな人に告白したんです。今日返事くれるって」
なんかこの人、気さくで話しやすい。
怖いイメージとは大違い。
初めてあった気がしないなぁ……。
……チャラいけど。
「おぉ……いいねぇ♡青春!うんうん!」
小さく顔を輝かせて。
「男はね、まっすぐ気持ちを伝えられると弱いんだなこれが。
頑張ってアタックしてみるといいよっ☆」
私に向かってウィンク。
「はい……頑張りますっ」
拳にぐっと力を入れて、返事をした。