ぎゅってしてもいいですか。
「まあ、小悪魔チャン可愛いから……うまくいくんじゃない?」
ふっと不敵に微笑むと、私の頭をなでる。
そのえくぼ、優しくて柔らかい笑い方……。
誰かにすごい似てる────けど、それが誰かは思い出せない。
どこかで見たような……そんな笑顔で。
んー、やっぱ思い出せないや。
「ねね、小悪魔チャン、名前なんてゆーの?」
パフェにぱくつき、ニコニコ笑う。
「え……っと、月乃 詩星っていいます」
少し遠慮がちにいうと、「へぇ~!」と目を丸くされ、オーバーリアクションが返ってきて。
「綺麗な名前だね」
そうポツリとつぶやくと、惹き込まれるような、
つい見とれてしまうような極上の甘い微笑みを私に向けた。
……あ、この人モテる。
反射的にそう思った。