ぎゅってしてもいいですか。
「なっ、がさわ、くん……っ?」
「……走ってきた。月乃に、昨日の答え、言おうと思って」
肩が上がったり下がったりを繰り返している。
きっと、一生懸命、私なんかの告白の返事のために走ってきてくれたんだろーな。
そう思うと、胸が苦しくきゅんっと甘い音を立てた。
「俺……月乃に……」
「待って!!」
────いけないことだと分かっていたけど、永澤くんの言葉を遮った。
「……返事は……ファッションショー終わってからにして欲しいの……。
ホントの、最後、だから……。お願い。もう少しだけ待って。
私……頑張る。だから、見てて」
……どうせフラれるなら、最後に私の姿をちゃんと見ておいて欲しい。
最後に足掻くことくらい、させて?