ぎゅってしてもいいですか。
スカートの裾をちょっとあげて、膝を曲げ、軽くお辞儀。
メイド服のかわいさを、最大限に引き出すんだ────。
すると客席からは「ヒュー♪」という声。
「メイドさぁーん♡」って、メイドさんコールも聞こえて。
なに、これ。
すごく楽しい────────。
暗い場所で目を慣らすと、一番後ろに永澤くんが見えた。
────────永澤くん……。
見てて、くれてる?
一番の優しい笑顔で、ふっと微笑んだ。