ぎゅってしてもいいですか。
「……ど、どんどんいきましょうー!」
さっきのことがあって、動揺を隠せずにいるのか、あんず先輩はうろたえながら司会進行。
……あんな大声で告白したりしたんだもん、そりゃそーなるよ。
あの返事のあと、私はよろめきながら舞台裏に帰ってきた。
そんでもって帰ってくるやいなや、南緒が大号泣しちゃって。
『よ"、よ"がっ"だぁ"〜、お"め"でどぉ"〜!!!!!』
泣いて顔がぐちゃぐちゃの南緒は、
なんて言ってるかわからなかったけど、すごく喜んでくれた。
『あっ、あどでっ、ぐわじぐ、ぎがぜでねっ?』
しゃくりあげる南緒に頷いて、ホントにいい友達だなぁって思う。
────嬉しい。
あんず先輩に視線を移す。
迷惑かけちゃったかな、先輩に。
……色々と。
あんず先輩は……永澤くんと付き合ってたんだよね……?
きっと……複雑なはず。
別れた理由は知らないけど、少なからずショックだろうな……。
ごめんなさい、あんず先輩。
好きなんです。
この気持ちは、どーやっても消えないんです。