ぎゅってしてもいいですか。
「もう1回言わせんの?」
照れたように口元を隠す永澤くんはすごくかわいい。
……いじめたくなっちゃうよ。
「うん!」
元気よく返事をすると、はぁ……とため息。
耳まで真っ赤だよ?
「……ぎゅって……してもいいですか」
突然そんなことをつぶやいた。
……そんなの決まってる。
「はい、喜んで♡」
とびきりの笑顔で笑いかけて。
「……ったく、ホント月乃やだ。俺のこと……簡単にドキッとさせるんだもん」
抱き寄せながら、耳元でささやく。
永澤くんのにおい。マスカットの香り。すごくすごく幸せ……。
心臓の音……早いね。
私とおなじ。
そんなこと一つ一つに嬉しくなってしまう。