ぎゅってしてもいいですか。
「……好きです。付き合ってください」
もう一度、私だけに聞こえるよう、つぶやいた。
「……はい」
両想いって、こんなに幸せなんだね。
「……てかさ、気づいてる?月乃サン。今俺らすっげー見られてんの」
意地悪く、色気をはらんだ声。
すぐさま永澤くんのうでをはなれると、
まわりには生徒から一般客の人たちまで、ギャラリーが勢ぞろい。
な、なんか、すごい見られてるんですが……?!
「逃げるか」
にっと笑うと、手をつないで走り出す。
永澤くん、大好き。