ぎゅってしてもいいですか。
【第八章】☞ ダブルデート
>>34 お互いの両想い
《蛍人side》
「おいおいおいー!聞いたぞ蛍人!月乃と付き合ったんだってなぁ?!」
「ったく、モテる奴は羨ましいねぇ♪」
「お前ふざけんなよーっ!どーやって惚れさせたんだ?」
……ったく、邪魔すんなよな。
体育館を出て早々、質問攻めにあう俺ら。
文化祭ってゆーのもあってか、すっごいたくさんの人に見られてる。
いつの間にそんなの聞いたんだよ。
噂広まんの速すぎだろ。
「え、わ、っと、その……」
顔を真っ赤にして挙動不審な月乃は、うつむいてぼそぼそつぶやいた。
……ほら、月乃が困ってる。
「あのさぁ……お前ら、気遣いとかできないわけ?
俺らさっき付き合ったばっかなの。邪魔しないで?」
月乃とつないだ手に力を込めて、ギロっとにらんだ。
「ヒューゥ♪悪ぃ悪ぃ。ごめんね、月乃ちゃん。2人でいる時間、楽しんで♡」
……気安くちゃん付けとかしないで欲しい。
「……行こ」
ぶっきらぼうにいうと、俺は屋上階段を目指した。