ぎゅってしてもいいですか。
────たん、たん、たん。
屋上は閉鎖されてるから、屋上へ続く屋上階段にも人はいない。
1番てっぺんの段に座ると、はぁ〜……っとため息をついた。
相変わらず手は離さない。
できればずっと握ってたいくらいだ。
「────永澤くん……」
かぼそい声に身体がすぐさま反応する。
「ん?」
「夢じゃ、ないんだよね……」
「……へ?……ふっ、当たり前じゃん」
「そ、そそだよね……うん……ふぎゃんっ?!」
ぽけーっとした顔でそんな事言うから、おかしくって鼻をつまんでみた。
面白いなぁ、ほんと。
どれだけ見てても、絶対この子だけは飽きないと思う。