ぎゅってしてもいいですか。





「だって、もう緊張しちゃって……!手汗すごいんだもん……っ!」



こんなんで手握るなんてやだよーと泣きそうな顔。




────あー、もう。



なんでそーゆーこというかな。


今すぐにでも抱きしめたくなる。


けど、今そんなことしたら……さすがに引かれるんだろうなぁ……。



「……いいよ、月乃だったら。どんなに汗ひどくても」



ホントのことだから。


まっすぐ、月乃の瞳を捉えて。




「私は嫌だよ……」



1度は合わせてくれたものの、フイっと横を向いてしまう。



……そんなに気にしてくれてんだ。



それは俺のことが好きだからって……誤解してもいいってことだよね?








< 203 / 421 >

この作品をシェア

pagetop