ぎゅってしてもいいですか。





「……じゃあ」



ぼそっとつぶやくと、俺の方に引き寄せる。



ゆっくり手を離すと、月乃の肩に手を置き、ななめになった。



「よっかかっていいよ。これなら恥ずかしくない」


────……とか思ったけど。




「うん……だね」



優しくふっと微笑む。






……至近距離の月乃に、今度は俺がダメだった。


石けんの香りも漂う。


……も、限界……。


恥ずかしすぎる。



────けど、もっと近づきたい。


そう思った。











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