ぎゅってしてもいいですか。
「そっ……か。話してくれて……ありがとう」
下を向いてつぶやく。
心の底からほっとした。
……こんなの、ひどいかもしれないけど。
「……で」
スクっと立ち上がると、永澤くんは「デートってなに?」と不敵に笑う。
すっかりいつもの調子を取り戻したみたい。
「んーと、遊園地行こうかなって……。行ってくれますか?」
おずおずと顔を上げると、そこには至近距離の永澤くんが。
「……ッ?!」
慌てて後ろに下がるけど、じりじりと追い詰められ。
窓際まで追い詰められると、静かに私を窓際と永澤くんの間に閉じ込めた。
「大事な彼女からの、嬉しいデートのお誘いを、断るとでも思う?」
じっと目を見つめられて、動けなくなる。
「……行くよ」
そう一言いうと、優しくふっと笑った。