ぎゅってしてもいいですか。
『ご乗車、お降りの際はご注意ください』
駅のホームに流れる駅員さんの声。
ギューギューの電車からやっと開放された私たち。
南緒たちは電車の中の私と別の場所で、ドキドキしあってたようで。
「さっきのあれは……びっくりしたね」
南緒が照れながらいえば、
「う、うん……だね」
なんて、西荻くんが顔を赤らめる始末。
いーなぁ……。
普通、付き合いたてってこんな感じなんじゃないの?
私だって……もっと、こう……らぶらぶしたいのにな……。
永澤くんのこと、大好きだもん。
もっと近づきたいよ……。
私のちょっと前を歩く永澤くんの背中を見つめた。