ぎゅってしてもいいですか。
くるくるまわるコーヒーカップ。
空を切るようにとぶ空中ブランコ。
「うお!すげー!」
相変わらず名前も知らない彼はアトラクションに目を輝かせ続けてる。
「ですね。あっ、もーすぐお昼だ」
私はというと、完全に彼のペース。
……なんてゆーか、この人のオーラ、癒されるんだよな。
一緒にいても、大丈夫って思えて。
私たちはずっと、こんな感じでフツーに遊園地を満喫しちゃってる。
んでもってフツーに楽しい……ってのが悔しいけど。
「俺お腹ぺっこぺこー。どっか食べに行こ?」
彼はもう、ぐぅーきゅるる……とお腹を鳴らして、待ちきれない様子。
「近くにお店あったはず……。そこ行きます?」
「だね。もー死にそー」
ふふ。
眉毛を下げる姿が、まるで子犬みたいで笑えた。