ぎゅってしてもいいですか。
「ああああぁ────ッッッ???!!!」
そうだ!思い出したぁっ。
この人────。
思わずガタタンと音を立て、椅子から勢いよく立ち上がる。
「え?!なに、え?!俺なんかした?!もしくはそんな有名人?!」
私のリアクションに驚いたのか、あわあわと慌てる奏人さん。
「いや、そーじゃなくって!覚えてますか?私のことっ!」
自分のことを必死で指さして、訴えた。
「……んぇ?ぃ、いや、全然……」
怯えた目つきでスプーンを握りしめてる。