ぎゅってしてもいいですか。

『まー、今度直接聞いてみたら？』



「聞いてみるって……な、なが、永澤くんにっ？！無理無理無理ッ！！」



電話口にも関わらず、ぶんぶん首を振った。



『だよねー、豆腐メンタル詩星だもんねー』



「うぐ……っ。言い返せぬ……」



『ふははははっ！敬うがよい！』



「調子のりやがって」




恨みを込めていってみる。



『……はーぁ……』



不意に南緒がため息をつく。


珍しい……。仕方ない、聞いてやるか。



「南緒……珍しいね？ため息なんかついて。どーしたの？」



『いやまぁ……あなたと一緒で恋わずらいってやつっスわ』




軽めにはき捨てるように呟く。



お……おぉっ？



「な、南緒が？あの南緒ちゃんが??……ふぅ～ん♡」



やっと話す気になってくれたか。



うんうん。これも成長。



エンジェルちゃんに話してたんだもん。


私にだって話してくれたっていいよね。



「聞いてやらなくもないよ？♡」


自分の髪の毛をくるくる回して、次の言葉を待つ。