ぎゅってしてもいいですか。
そんな浮かれてる間も、永澤くんは奏人さんの方をじっとりと見つめて。
「……蛍人?」
……けい、と?
それって、永澤くんの下の名前。
なんで奏人さんが知ってるの……?
そしたらどうやら、永澤くんも同じことを思ったらしく、目を大きく見開いてる。
しばらくの間、永澤くんは考え込むように奏人さんをじっと見つめると、
「……え?」と小さく声をもらした。
「もしかして……、奏人……?」
はっとしたようにつぶやくと、「なんでこんなとこにっ?!」と叫んだ。
「いちゃ悪いかよ」
おかしそうにククッと笑う奏人さん。