ぎゅってしてもいいですか。






「あっ、小悪魔チャンっ!」



椅子から立ち上がった奏人さんをよそに、店から出た。




私の手を離さないまま、無言でどんどん先に行く。






「……はぁ、はぁっ……。なが、永澤くん……っ!」


「…………」


「永澤くんってばぁっ!」


「…………」


「私、あの人にお礼言ったりしてない……っ!!」


「…………」




……無視ですかっ。




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