ぎゅってしてもいいですか。
しないって、頑張るって、私のペースに合わせてくれるって、言ったのでは……っ?!
しかもこんな人前でっ……!
ほら、なんかチラチラ見られてるって!
「妬かせるから……悪いんだよ?」
妖しく色っぽい笑みを浮かべて、どんどん近づく。
もう永澤くんの顔がそこまで────の時、目をぎゅっとつぶった。
「……ッ!」
────あれ?
何も触れない、何も感じない。
そうっと目を薄く開く。