ぎゅってしてもいいですか。



「……ってことは、月乃のあの時の小悪魔のカッコ……!!

あぁ、だから『小悪魔チャン』っつってたのか……。

はぁー……うかつだった……」




ひとりでブツブツ独り言。


なんか色々よく分からないけど、まあ、繋がりを持ってたってことで。






「あ」



……ひとつ、気づいた。




「ん?」



未だ険しい表情の永澤くんは不思議そうに見つめて。





「……となると、あんず先輩を振った人って、奏人さん……?」




だってたしか、あんず先輩が、永澤くんのお兄ちゃんにひどい振られ方で振られて、

それを見かねた永澤くんが代わりに付き合ったって……。


前言ってたよね?




「……うん、そーだよ」



昔の傷を思い出すような笑顔で永澤くんがふっと笑い、ちょっと胸が痛む。




……でも、人って色んな所でつながってるんだなぁ……。



つくづくそんなことを思う。






< 276 / 421 >

この作品をシェア

pagetop