ぎゅってしてもいいですか。
「まぁ……俺は元々頭が悪いってゆーのもあるけど……今回は特に」
真面目な顔をしたかと思ったら、じっとこっちを見つめてきて。
「……月乃のせい」
小さくそういうと、すぐに耳まで真っ赤。
つられてこっちまで真っ赤。
「勉強のことなんか考えらんないくらい……今、月乃のことでいっぱいだから」
え……?
「わ、私も、今……同じこと、考えてた……」
ちょっ、そんなこと好きな人から言ってもらえるとか、嬉しすぎるよ……。
ドサッ────。
────ガシャンッ……。
一瞬瞳が揺らいだかと思ったら、公園のフェンスに私の身体を押し付けてきた。
それと同時に、押していた自転車が倒れ、永澤くんのスクバが落ちて。
手首を少し強引に、でも優しくつかむと、前から私の耳元に顔を持ってくる。