ぎゅってしてもいいですか。
《詩星side》
「……南緒おはよー!」
「おっ!詩星!はよっ!」
空も高く、真っ青な秋晴れの月曜日の朝。
すっかり忘れてたんだけど、昨日も一昨日も休日だったんだね。
電話し終わったあと気づいたよ。
で、当然のごとく、部活……。
休日といえど、休んでる暇なんかないわけで。
名ばかりの休日なんていらんわい……。
ふぁーあ。ねむ。あくびしか出てこない。
朝のテンションはダダ下がり。
「蛍人!おはー!」
「なー、おまえ土曜日電話したのにぃー!なんでいねーんだよぉ!」
「おぉー!蛍人おはよっ。寝癖ひでーな」
「おぉ、はよ。わりわり」
…………っ。
永澤くんだ……っ。
「南緒っ!!今日はいい日だねっ!!」
「あれ??どしたの?いきなり元気になって」
不思議そーな顔の南緒。
けど、教室のドアのところで友達に囲まれてる永澤くんを見て、にたぁーっと笑った。
「そーゆーことね♡」
……むぅっ。なんだよっ。別にいいじゃんかぁ。
会えただけで嬉しくなっちゃうんだもん。