ぎゅってしてもいいですか。
「オレ、瀬戸 遥輝っつーの。フツーに遥輝先輩って呼んで?」
「は、るき、先輩……」
小さな声でいうと、満足そうに頷いた。
「ってことで……彼氏、いるのは知ってる。けどさ……お願いがあるんだ」
その寂しそうな目で見つめられると、何も言えなくなる────。
「一回だけ……オレとデートしてくれない?」
「……え、デート……?」
驚くような目で返すと、「あのね」と付け加えて。
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