ぎゅってしてもいいですか。
「えっ……あ……そっか……は……はは」
やばい。何も言えないよ。
「約束忘れないでって……土曜日デートしたんだって。ゆうが言ってた。
あいつ友達多いし……幅広いから……友達づたいに聞いたっぽい」
……そー……なんだ。
まあ、薄々、気づいてなくもなかった……けどね。
だって、2人でいたんだもん。蛍人って、呼び捨てだったもん。
でも、やっぱ目の当たりにすると……ね。
ショックってゆーか……しょーがないってゆーか。
頭の片隅に、永澤くんはモテるから付き合うことも当たり前だってあったけど……
なんか……ぐちゃぐちゃだぁ……へへ……。
まあ、永澤くん、モテるもん……先輩と付き合ってたっておかしくないよ……。
むしろ付き合ってなくてほっとかれる方がおかしいもんね……。
「……うん。知ってた」
精一杯の強がりを放った。