ぎゅってしてもいいですか。





「ごめんごめん、遅れた!」





慌てながらパタパタと走ってきたのは、私と正反対のオシャレな遥輝先輩だった。


上は黒のTシャツに灰色のガーディアンを羽織り、下は白のパンツ。

頭には真ん中がくぼんだ黄土色のカッコイイ帽子。



「ちょっと何着ていこうか迷っちゃっ……えぇ?!」




そんでもって、私の服装を見るやいなや、びっくり仰天。


てゆか、よく私って分かりましたね。こんなダサいカッコなのに。




「全然大丈夫ですよ!……どうしたんですか?」




いかにもこのカッコをおかしいと感じていない素振りを見せる。




「え、いや、その……うん、まぁ、ね」




あやふやな言葉を並べ、視線をあちこちにさ迷わせながらうろたえる遥輝先輩。




< 330 / 421 >

この作品をシェア

pagetop