ぎゅってしてもいいですか。
「デート……早く帰してなんてやらないから」
耳元で囁かれて。
ハッとして振り返ると、楽しそうに、意地悪く微笑んでいる先輩の姿があった。
うっそ……?!作戦バレた……?
「さーてと!最初行く所、決まり!」
にっこり、嫌な予感のする笑顔で一言言い放つと、私の手を引っ張る。
「まずは……美容院に行こ」
……えぇえぇえぇえぇ?!
このダサいカッコと髪型の意味が……!!
私の抵抗も虚しく、ズルズルと引きずられていった。
どうやら、私の完敗……それも、作戦完全失敗の模様です……。