ぎゅってしてもいいですか。
「あ、はじまる」
1人焦る私をよそに、だんだん暗くなっていく照明。
すぐに真っ暗になって、巨大なスクリーンにはいろんな告知や宣伝が。
それもしばらくすると、すぅっと切り替わり、いよいよ今回主役の映画。
題名が映し出された。
『なーなー、アイツ、めっちゃ地味じゃね?』
『それなぁー!地味子だー』
最初は、ある1人の女の子を男子生徒が指さし、噂をしてるシーン。
『うぅ……地味って……なんかやだなぁ』
その子は、" 地味 "と言われることについてコンプレックスを持っている、主人公の女の子みたい。
コンプレックスなのだけれど、毎日が静かに平穏に過ぎることを願って、日々を追っていく。
ところがある日、人気者のクラスで中心的存在の男の子に声をかけられて。
そして前触れもなく、
恋に落ちる────。
『気づいちゃったんだ……この気持ちに。もう無視はできないよ』
唯一心を許せる友達に心のうちを明かす。