ぎゅってしてもいいですか。
女の子2人組を置いて、また再び歩き出す。
……誕生日プレゼントかぁ。
俺……買ったことあったっけ?
どーゆーの、喜ぶんだろ。
あ、ここなんか良さそうかも。
頭を悩ませながらも、ふらりと1軒のお店へ入った。
女の子っぽい雑貨とかが売ってて、月乃が好きそうだ。
……うん、ここにしよ。
店内を歩いて見て回る。
誕生日プレゼント……。誕生日プレゼント……。
────あ、これいい。
ふと目に留まったのは、アンティークっぽい地図やコイン、白のレースなんかがついた、
キーホルダーだった。
これ、喜びそ。決まり。これにする。
月乃の嬉しそうな顔を思い浮かべる。
……ヤバい。
妄想の中の月乃も可愛いって思うなんて、俺変かもしれない。
だって……だってさ。
月乃が喜んでんだよ?俺のあげたもので。
ほっぺたふにゃってさせて、ちょっとピンクに染めて柔らかく笑うの。
んでもって、このキーホルダーを握りしめて『ありがとうっ!』なんて言ってさ……。
妄想の中でも可愛いとか……、どんだけだよ。
……まぁしょせん勝手な妄想だけどさ。
それ考えただけで、俺はこんなにもドキドキするんだから、重症だ。