ぎゅってしてもいいですか。
もう帰ろ。
元来た道を引き返す。
その時、向こうからやってくる1組のカップルが目に付いた。
見覚えのある……あれは……。
────あれは……月乃と、俺と部活が同じ遥輝先輩……?
な、んで────?
すごく楽しそうに笑ってる。
手なんかつないで。
月乃に限っては、すっごいオシャレしてた。
なんで俺に黙ってたの────?
なんでよりにもよって遥輝先輩と────?
ふざけんな。
心の底からふつふつと何かが湧き上がってくるようだった。