ぎゅってしてもいいですか。






「大丈夫だって。またすぐに戻ってきてくれるよ」


「……」


「ほら、一旦距離置くだけでしょ?」


「……」


「別れてないんでしょ?なら……」


「……一旦距離置いた後は?……別れるの?」


「……え?」


「私の方は別れてないつもりでも、永澤くんはとっくに愛想尽かして、

別れたって思ってるかも知んないじゃん」




つとめて明るく私を慰めてくれた南緒に、ついキツく言ってしまう。



最低だ、私。南緒にあたってる。





いつもの木曜日のお昼は、曇り。


重たい雲で、今にも雨が降りそうで。




……はぁ。





永澤くんとケンカして、もう4日。


話すこともなければ、目が合うこともない。





ため息しか出てこないよ。








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