ぎゅってしてもいいですか。
「……詩星っ!!」
暗い表情の昼食休み。
トイレに行ったはずの南緒が、そんな時間もたってないのに教室へ駆け込んできた。
「な、に……?」
南緒の険しい表情に、牛乳パックを持ったまま、思わずたじろぐ。
「……っ、はぁ、はぁ……っ。詩星……、全部、ハッキリさせたきゃ、屋上階段……行ってき、な……!!」
……え?屋上階段……?
ハッキリさせたきゃ……?
意味が理解できなくて、南緒を見つめる。
「……永澤……どこに……いんのかと思って……追いかけた」
息を荒くさせ、肩を上げ下げ。
「屋上階段に……ひとりで、いる……」
その言葉を聞いた瞬間、私の脚は屋上階段へと走り出していた。