ぎゅってしてもいいですか。




4階につき、屋上階段の前へ。




この上に……いるんだよね。






意を決して、ゆっくりと1段ずつ上がっていく。





気づかれないように。そっと。







そして、おどり場のところについた。





見上げれば────永澤くん。






屋上の扉を背にして、ぼーっと座ってる。


階段に脚を投げ出してて。




そんな姿でさえも好きだと思ってしまう。






けど、階段を上ってきた私に気づくと、はっと目を見張った。





「月乃……?」




嬉しそうな、悲しそうな、いろんな感情がごちゃ混ぜになったような声。




「もう一回……誤解を解きに……。それと、謝りに来たの……」




まっすぐ目が見れなくて、うつむきながら情けなく思う。





────そして、永澤くんのところへ向かって、階段を上がった。










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