ぎゅってしてもいいですか。
「ぅ……うぅ……」
保健室を後にしようとすると、苦しそうなうめき声がした。
慌ててバッと振り向くと、ベッドの上で永澤くんが唸ってて。
「永澤くん……っ!」
何事かと永澤くんの元へ駆け寄る。
顔は苦しそうにしかめっ面。
悪い夢でも……?それとも病気……?
病気じゃなければいいけど……っ。
どうしよう……、やっぱり心配だよぉ……。
オロオロしていると、私の後ろにスッと遥輝先輩が立った。
「んー……じゃーさ、俺が見てよっか?詩星ちゃん、授業行ってきな」
にっと嫌な顔一つせず笑う先輩。
いい人だなぁ……!だけど……。
「え……でも先輩の授業は……」
「いーっていーって。どーせ俺勉強しないし」
悪びれる様子もなく、へらっとして見せた。
ちょ、それ、よくないんじゃ……?