ぎゅってしてもいいですか。






そう思ったら、保健室を出られなかった。





そんな私を見てか、遥輝先輩がふぅっとため息をつくと、

「やっぱオレじゃ頼りないみたいだからさ、見ててやって」と整った顔を緩めた。




「……っ、はい……」




私が小さく返事をし、じゃーねー、と保健室を出ていく遥輝先輩。



誰もいなくなった保健室で、永澤くんの元へと歩いた。




近くに来ると、椅子を持ってきて座る。




今は穏やかな表情で、ぐっすり眠っているようだった。



さっきの苦しそうな声は、もしかしたら悪い夢を見てたからなのかも。





< 401 / 421 >

この作品をシェア

pagetop