ぎゅってしてもいいですか。






「このまま……目を開けて欲しくないなぁ……。そしたら……

私だけ独り占めして眺めてられるのに……」






心から本音が漏れる。






「きっとまだ……永澤くんは私のこと……許してないだろうし……」





すぐ近くに永澤くんがいるからだろうか。


言葉が溢れ出して。




永澤くんは私に背を向け、方を上げ下げしながら眠っていた。





髪の毛にそっと触れる。


やっぱりすごく綺麗な髪の毛だった。








「永澤くん……」








誰にも聞こえないように、小さくつぶやいた。







< 404 / 421 >

この作品をシェア

pagetop