ぎゅってしてもいいですか。
「このまま……目を開けて欲しくないなぁ……。そしたら……
私だけ独り占めして眺めてられるのに……」
心から本音が漏れる。
「きっとまだ……永澤くんは私のこと……許してないだろうし……」
すぐ近くに永澤くんがいるからだろうか。
言葉が溢れ出して。
永澤くんは私に背を向け、方を上げ下げしながら眠っていた。
髪の毛にそっと触れる。
やっぱりすごく綺麗な髪の毛だった。
「永澤くん……」
誰にも聞こえないように、小さくつぶやいた。