ぎゅってしてもいいですか。






ふぁさ……と音を立てて、指の間から永澤くんの髪の毛が流れてく。







「このまま……お別れなんて嫌だよ……」







私の、一番の本音。







「……あ、そろそろ戻らなきゃ」




ずっとここにいても、怪しまれるだけだよね。


永澤くん、目ぇ覚まさないうちに。




くるりとベッドから背を向け、歩きだそうとした。




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