ぎゅってしてもいいですか。
>>14 辛いから
────黄色く染まった銀杏の葉がはらはらと舞い落ちる。
水曜日の放課後の部活は、先生たちの職員会議で帰るのが早い。
だから、今日は一刻も早く家に帰るんだ。
最近、あんず先輩とも話しずらくて。
ちゃんと話せない、そんな自分に腹が立ち、また頭をぐるぐるさせる。
そんなのの繰り返しだ。ホントにやんなる。
考え事をしながら、ふらふらと後片付けをした。
よし、帰り支度しなきゃ。早く帰ろ。てか早く帰りたい。
「詩星ーっ!!いたいたぁー!」
走ってきて目の前で息を切らせる南緒にびっくり。
「ぇああぁっ?!?!南緒っ?部活は?」
私は早帰りだけど、南緒はまだあるはず。
変な声が出ながらも、気にせず続行。
そんな私にも関わらず、悪びれもなくへへっと照れ笑いする南緒。
「具合悪いっつって抜け出してきちった。どーせ今日先生いないし」
「え、いやだって、まずいんじゃ……?もーすぐ大会って言ってなかったっけ?」
心配そうに訪ねてみると、大事大事!とまた笑う。
「てことで、昨日の帰りに言ったお店、行こ!」
強引に引っ張る南緒に抵抗出来ず、そのままズルズルと引きずられていった。
……ちょ、ちょっとぉ~……。
強引過ぎません?いろいろ悩みすぎて辛いから帰りたいんですが(泣)
けど、陸上部の南緒にかなうはずなく。
うわぁぁぁぁ……(泣)