ぎゅってしてもいいですか。
華奢だと思ってた永澤くんの身体を押すと、男の子らしい肉付きで。
────全然びくともしない。
「んぁ、苦し……」
唇を離してくれない永澤くんから、息を吸おうと必死に抵抗。
「ダメ」
またもや口をふさがれて。
やっと離してくれたのは、それからしばらくしてだった。
息を荒くする私に対し、慣れているのか、涼しい顔の永澤くん。
「待つって言ったのに……ごめんな。でも、キスした時……すごい可愛かった。
こう、俺の手によって色っぽくなってく月乃がさ……」
「やめてよっ!変なこと言わないでっ」
意地悪な笑顔の永澤くんを、真っ赤な説得力のない顔で制す。