ぎゅってしてもいいですか。
「今年何やろっかぁ……」
「なんも浮かばねー!!」
班ごとになんのイベントをやるかでみんな悩んでる。
それだけ一生懸命ってことだよね。
「んー……。あっ!そだっ♪」
手をぽんと叩いて、あんず先輩が立ち上がった。
「なんだ、あんず。なにか案でも思いついたのか?」
先生が期待の眼差しを向けて。
「ファッションショーとかどう?!今までやったこと無いし?楽しそうですよね!☆」
「ファッションショーかぁ……うーん……」
きらきらした目で見つめるあんず先輩に、腕組みをして悩む先生。
みんなの間でもどよめきが起こってる。
「いーじゃないですか!♪お洋服を着て歩くのが好きな子も、
着て歩けないけど可愛いお洋服が好きな子も、お裁縫が得意な子も、
みんな楽しめる!見る人達もみんな!めっちゃハッピー!✨」
おお……。みんなのあんず先輩を見る目が変わった……。
賛成意見多数っぽい。
確かに、そんなことやったらすごく楽しそう。
さすがだなぁ……。
こんなとこに、永澤くんも惹かれたのかも。
……あぁ、また余計なこと考えちゃった。
だめ。今は集中!
「なるほどなるほど……。うん、まあ……いいんじゃないか」
わっ!先生までこの笑顔!
ってことでファッションショーは決定。