ぎゅってしてもいいですか。











────文化祭一週間前。




もうすぐ学校の大イベントで、みんなすごく活気づいてる。



「ほらぁー!そこそこー!ちゃんと机も椅子も出して!後ろで文字書くから!」

「この紙ってこの模造紙に貼っていいの?」

「うん!全然いいよー」

「わっ!ペンキが飛んだっ!」




各学年の廊下で、準備中のいろんな係の声が響き渡って。

放課後といえど、ものすごーく騒がしい。



そんでもって、私の方も……。



「おいっ!つきたん!仕事をしないとは何事だー!先輩を働かせるなっ!」


……はぁー……。


「あんず先輩もちょっとは働いてくださいっ。めんどくさいからって1人のうのうと椅子に座って、

上から指示って……どーゆーことですかっ」


……もう。仕事をしてないのはどっちなんだか。




ファッションショーの衣装づくりで奮闘中なのはいいものの、私、着る側なんですけど……。



作る側はあんず先輩なのでは……?

呆れてものも言えませぬ。



「うるさいうるさーい!とっとと働けぇ!」

目を吊り上げて怒鳴り散らす。



はーぁ……。



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