ぎゅってしてもいいですか。








「おー!じゃー先行ってて!」

「おけー!」



突然廊下に複数の笑い声が響いた。



えっ?えっ??えっ???



も、もしかして、帰ってきちゃった……?!?!



とっさに近くのカーテンにくるまる。



バタバタと騒がしい上履きの音。




どーしようどーしようどーしよう!!!


冷や汗が頬をつたう。






けど、足音は段々と遠ざかっていって……。






…………ホッ。



みんなどっか行ったみたい。


よ、よかったぁ……。こんな変なカッコ見られたら、この世の終わりだよ。

心の底から安堵。




さーてと、もーいーや、この際上に着てきた体操着着ちゃお。

ものすっごくダサいけど。

……ナイスアイディアじゃない?




「……そこでなにやってんの?」

「ふええぇッ?!?!?!」



誰もいないはずの教室に、聞き覚えのある声がした。

当然私は、思考停止状態で。


思わず全身をカーテンに包み込んだ。



……なになになに?!?!


だれだれだれっ?!?!



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